数学系大学院生の徒然草

関西在住の国立大学院生が学問や人生、日常を徒然なるままに書き記す雑記です。できるだけ有用な記事を嗜むつもりです。

関数解析~Banach空間~

 

 

 

 

どうも私です。

学生の皆さんはちょうど試験期間かと思いますがいかがお過ごしでしょうか。

 

今日はBanach(バナッハ)空間てやつを紹介しようかと思います。

いきなりなんやねんて感じですが関数解析でまず初めに習う空間といえばこのBanach空間なんですね。

こいつに少し条件を加えたりしていくと、Hilbert空間であったりSbolev空間みたいなやつになります。

つまり超基本的な関数空間なんですね。

ちなみに関数空間てのは、関数を要素に持つ空間のことです。(普通の空間は1とか2みたいな数だけを要素に持っている)

 

ではこのBanach空間の定義を見てみましょう。

 

定義(Banach空間)

完備なノルム空間をBanach空間という。

なんのこっちゃねんて感じですよね(笑)

 

ノルム空間の意味はこちらを参照してください。

 

akiyamatakeshi.hatenablog.com

 

完備ってなんやねんって話をしましょう。 

 Xをノルム空間とし, |・| をそのノルムとします。点列\{x_{n}\}^{\infty}_{n=1} \in X がある x \in X に 収束するとします。

このとき, 任意の n, m \in N に対して三角不等式より |x_n −x_m| \le |x_n −x|+|x_m −x| となりますね。(n,mは番号を表している)

ここで n, m → \infty とすると, この不等式の左辺は0 に収束するので、

(1) |x_n −x_m|→ 0 (n,m → \infty) となります。

(1) は、点列 {x_n}^{\infty}_{n=1} は n, m が大きくなるにつれて互いに近づきあうことを示して います。この性質より、Caucgy列を定義しましょう。

 

定義(Cauchy列)

\mathbb{R}^N における点列 {x_n}^{\infty}_{n=1} が (1) を満たすとき, {x_n}^{\infty}_{n=1} を Cauchy 列という.

 

 

さらにCauchy列は収束列であるという次の定理も成り立つ。

 

 

定理

\mathbb{R}^N における点列{x_n}^{\infty}_{n=1} が Cauchy 列ならば, n→\infty とき, {x_n}^{\infty}_{n=1} はある x \in \mathbb{R}^N に収束する.

 

 これを\mathbb{R}^Nの完備性というのである。

 

以上が完備性の説明ですね。

これでBanach空間の定義は何となくわかってもらえたと思います。

考えている空間がBanach空間かどうかを調べたければ、

点列を取ってきてですね、完備になるかどうかを確かめればよいということです。

 

線形空間の完備性は非常に重要で、数値計算で近似解を求める場合にも必須なんですね。

よって工学系の人たちなんかは近似なんてよく使うでしょうからこれらの概念を知っていても損ではないでしょう。

 

また、\mathbb{R}^N においては Cauchy 列は収束列になりますが、一般のノルム空間においては、 Cauchy 列は必ずしも収束列にならないことが知られています。

 

本日は以上です!

最近忙しくて全然記事が書けていませんね。。。

がんばります(笑)

 

akiyamatakeshi@excite.co.jp

 

 

 

 

オススメの音楽~メタルコア、ハードコア、メロデスなど~

 

 

 

 どうも私です。

 

というわけですね、突然ですが本日は僕のおすすめの音楽でも紹介したいなと(笑)

 

日本も梅雨に入りまして、家にいる時間が長くなるかと思うのですが、

そんなときに何か作業でもしながら聴けるようなね、作業用BGMにでもできるような音楽でも紹介しようと思ったわけです。

 

僕自身は軽音をずっとやっておりまして、特にうるさい系の音楽をしてましたのでそこらへんの音楽に偏った紹介記事になってしまうのは勘弁してください(笑)

イージーリスニングなやつのほうが作業には間違いなく向いているわけですが僕はそののような音楽は詳しくないので紹介できません(笑)

 

ではぼちぼち紹介していきましょう!

 

Sleeping with Sirens という割と最近のアメリカのポストハードロックバンドです。

ちなみにメタル系のジャンルってめちゃめちゃ分類わけがあるんですがそのほとんどが自称です(笑)

メタルって言っててもハードロックやんみたいなんは往々にしてあることなのであんまりジャンルは気にしないでください。

 

このバンドの曲ははそんなに重くなく聞きやすいですし結構おしゃれだと思います。

ただ曲を聴いてもらえればわかるんですがボーカルの声がかなり高い(笑)

ほんまにこんなん歌えるんかいって思ってライブ動画などを拝見するとそんなにうまくはないです(笑)

CD音源だけならめちゃくちゃいいと思います。

 

 

 

Bring Me the Horizonというイギリスのロックバンドです。

上の音源を聴いてもらえればわかるのですがなかなかおしゃれ系です(笑)

ただこのバンド、もともとはデスコア系のバンドでしてそのころの音源がこちら。

 

first albumは大体こんな感じなんですがどんどん変遷していって今はおしゃれ系になりました。

ちなみにボーカルのオリヴァーはDROP DEAD Clothingという衣服のブランドも立ち上げており、少し高いですがかっこいい服を売ってます。

 

 

 

Black Tideという10代でメジャーデビューしたHR/HMバンドです。

めちゃくちゃ若くしてデビューした故に、途中でボーカルが声変わりしています(笑)

また音楽性も色々な影響を受けているためどんどん変わっていますが個人的なすごい好きですね。

 

 

 

Killswith Engageというアメリカのメタルコアバンドです。

1999年活動開始ということでまあまあ長い経歴のバンドです。

ボーカルが一度変わったのちまた戻ったという経緯がありますが音楽性自体はそんなに変化することなく聴きやすいバンドだと思います。

 

 

5.Buckethead

 

最後は、バンドものではないですが、Bucketheadというギタリストの紹介です。

活動開始は1987年となかなかの古株で、

またメタルからフュージョンまでの幅広ジャンルで活躍しており、

楽器もなんでもこなせる多彩さを持つ変態です(笑)

 

頭にはケンタッキーの紙バケツをかぶり白い仮面をしているという意味わからん容姿です(笑)

ちなみに現在はケンタッキーのマークはなくなりただの白いバケツをかぶっています。

ただ技術力は半端なくて実際に様々なバンドにも認められておりツアーなどにも参加しています。

ギタリストの方は知っていても損はないかと(笑)

 

 

今回は以上です!

数学の内容はもちろん趣味についても記事にする所存です!

なにかあれば以下にどうぞ!

akiyamatakeshi@excite.co.jp

 

 

 パソコンからパーツまで何でも高価買取はヤマトク

関数解析~ノルム空間~

 

 

どうも私です。

 

と、いうわけで、本日は「ノルム空間」というものを紹介したいと思います。

そもそも「ノルム」ってなんやねんというと、

 

ノルム・・・2点間の距離を表すもの、ベクトルの大きさを表すもの

 

だと思ってください。

N次元実数空間\mathbb{R}^Nにおけるノルムは、

x=(x_1,\cdots,x_N)\in\mathbb{R}^Nに対して、

||x||=\sqrt{x_1^2+\cdots+x_n^2}

と表わされます。

ちなみにこの\mathbb{R}^NN=2ならば平面ですし、N=3ならば空間ってことです。

 

どうして距離の概念であるノルムを、前回やった線形空間に導入するかというと、

距離を測ることが出来れば、収束や関数の連続性なんかを考えることができ、

色々な考察が可能になるからなんですね。

だから、ノルムというものを線形空間に導入すると。

 

 では、ノルム空間を定義しましょう。

 

定義(ノルム空間)

線形空間 X の元 x に対して実数||x|| が対応し、以下の性質を満たすと き、 ||x||x のノルムという: 任意の x, y \in X, \alpha \in \mathbb{R} に対して、

(1) ||x||≥ 0  また ||x||= 0⇐⇒ x = 0

(2) ||αx||= |α|||x||

(3) ||x + y||≤||x||+||y||

ノルムが定義されている線形空間をノルム空間という。

 

 (3)は三角不等式ってやつで解析学では超重要です。

三角形の一辺は、他の二辺を足したものより小さくなるよってやつですね。

ある距離を持つ空間が、上の定義を満たしていれば、それはノルム空間ということです。

ちなみに距離空間も同じような感じで定義ができ、ノルム空間は距離空間であることが知られています。

 

で、線形空間に対してノルムを導入すると、収束の概念が定義できます。

以下はその定義です。

 

定義(ノルム空間における収束)

X をノルム空間, ||\cdot|| をそのノルムとする. このとき, 点列 \tex:\{x_n\}^{+\infty}_{n=1} \subset X]に対して、

||x_n −x||\to 0 (n\to +\infty) が成り立つ x \in X があるとき、

\{x_n\}^{+\infty}_ {n=1}x に収束する, または収束列と言い、

x\{x_n\}^{+\infty}_{n=1} の極限と言う。

また, このことを \lim_{n\to +\infty} x_n = x または x_n \to  x (n \to +\infty)
などと表す。

 

 

 ノルムを導入することで、収束も定義できました。(収束の定義の中ではノルムが使われているため、ノルムを定義しなければ収束もていぎできない)

収束が定義できましたので、収束に関する諸定理も当然成り立ちます。

よって解析がとてもしやすくなりましたね。

 

最後に「ノルム同値」ってやつを紹介します。

ノルムを定義する際、それが一つとは限らないことがあります。

2つ以上のノルムが定義されることもあり、それらの関係を示すのが「ノルム同値」ってやつです。

 

定義(ノルム同値)

線形空間 Xに対して 2 つのノルム |\cdot|, ||\cdot|| が定義されているとする。このとき |\cdot|, ||\cdot|| が同値である、

あるいはノルム同値であるとは、定数 C_2\ge C_1>0 が 存在して、全ての x \in X に対して

C_1|x|≤||x||≤ C_2|x|

が成り立つときを言う。

 

 

線形空間 に対して同値なノルムが定義されていれば、個々のベクトルの 大きさは異なっても点列の収束等のノルム空間の基本的な性質は変わりません。

ちなみに今は有限次元の空間で話してますが、無限次元でも同値なノルムってのもありますが少ないです。

 

さらに、

有限次元線形空間 X に対してX 上の任意の 2 つのノルムは同値である

ことも知られています。

 

最後にその例を紹介したいと思います。

 

\mathbb{R}^N には普通次のようなノルムが定義される:

x = (x_1,...,x_N)\in \mathbb{R}^N に対して

||x|| = ||x||_2 :=\sqrt{x^2_1 +\cdots+ x^2_N}

 

ところが ||\cdot|| 以外にも次のようなノルムが導入できる: 

||x||_p :=(x^p_1 +\cdots+ x^p_N)^{1/p}, p\in [1,+\infty) ,

                \max \{|x_i| \ | i = 1,2,...,N\}, p = +\infty

p=+\inftyのときは、|x_1|,|x_2|,...,|x_N|の中で、最も絶対値が大きくなる|x_i|をノルムとするってことです。

これらはすべて同値なノルムとなります。

ノルム同値の定義を満たすので時間のある方は確認してみてください(笑)

 

本日は以上です!次回はBanach空間について説明します。

おかしなところとかあれば連絡ください!

akiyamatakeshi@excite.co.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数学を勉強する意味

 

「どうして数学なんて勉強しないといけないのか」

 

学校で働いている方や塾でバイトしている学生ならよく聞かれることなんじゃないでしょうか。

 

今日はこのようなよくある疑問に対して、数学を研究する一人として僕の見解を書いていこうと思います。

ようするにオナニー記事ですね(笑)

 

なぜ数学を学ぶ必要があるのか。

 

まず初めに数学を学ぶことで身につく力を考えてみましょう。

 

よく言われるのは「論理的思考力」ですよね。

数学というのは、一つ一つの言葉(概念)に明確な定義が存在します。

それらを一つ一つを矛盾のないよう組み立てていくこと(証明のこと)で定理が得られるんですね。

つまり、これを実践していくには論理的思考力が必要不可欠であり、

身につく力であると。

 

じゃあ他の学問ではこのような力は身につかないのか、

というとそんなことはありません。

工学や経済学なんかでも論理的思考力というのはもちろん身につきますが、

やはり程度が違う。

数学という学問はこの部分がずば抜けているように感じます。

数学には実験というものがなく理論しか存在しません。ゆえに、

理論しかないということは自身の思考力のみで問題を解いていかなくてはいけませんから、他の実験やフィールドワークのある学問よりもそのような力が身につく機会も多いですし、求められる程度も大きくなるというわけですね。

 

で、もう一つ身につく力として「抽象的思考力」が考えられるかと。

数学、特に純粋数学というのはとても抽象的な学問であり、掴みどころがないように感じやすい学問です。

実験などがなく完全に自分の頭の中で想像しながら問題を解いていかなくてはなりませんし、

具体的なモノ(電子回路だとか機械だとか)を相手にしているわけではないため、

このような力も身につきます。

 

数学を学ぶと以上のような力が身につきますと。

 

では、これらを学ぶとどう役に立つのか。

大切なのはここですよね。

 

\sin\cosが何の役に立つねんってのは高校生がよく言うことですよね(笑)

 \sin\cosみたいな三角関数に関していうと数学の中では世の中に役に立ってるほうでして、

コンピューターグラフィックなんかは三角関数線形代数微積分がベースとなってできていますし、

機械とか電子機器ではフーリエ変換ってやつを設計で絶対使ってるんですけど、それはまさに複雑な関数を三角関数で近似しているってところで役に立っています。

厳しいことを言うと、これらが理解できない人はこれらを使わない仕事に就くだけです。

 

以上は数学が実世界でもろに使われている例ですけど、

数学を通して身につく「論理的思考力」や「抽象的思考力」は、数学自体を使わなくても生きる上で役に立っているものだと僕は思っています。

 

なぜかというと、仕事などで問題が発生した場合は、

まず「現在どうのような状況なのか」を把握し、「結果どうすればいけないのか」を考えて、「今できることは何で、できないことは何か」を考えて、「欲しい結果を得るためにどうすることができるのか、どうしなくてはいけないのか」を考えますよね。

 

これって数学の証明と同じで、証明の場合は、

まず「仮定」を確認し、「導きたい結果」を把握し、「今使える条件、定理」を考えて、「仮定から結果を得るための道順」を考えますよね。

つまり、数学の証明の流れは現実問題での解決手順と似ているわけですよね。

よって、数学を通じて「論理的思考力」を身に付けることで、現実で生きる上でも役に立つわけです。「数学の知識」ではなく「数学の考え方」が役に立つと。

 

次に「抽象的思考力」はどう役に立つのかを考えてみましょう。

抽象的に物事を見ることが出来る=物事を俯瞰して見ることが出来る

ということだと僕は考えています。

物事を見たまんま理解するのではなく、抽象度をあげて俯瞰すること(より高い視点から物事を眺めること)により、

全然別の現象が実は本質的には同じ現象であることがわかるようになります。

 

実際、いい大学に受かる人や賢い人ってのはこれが出来る人なんですね。

特に勉強でいうと、物理や化学のような別の学問であっても、本質を見抜いて紐解いていけば結局は数学がベースになっていることがわかります。

なぜならこのような理系学問の理論なんてのはすべて数学を土台としてその上に成り立っているからですよね。

それ以外でも友人関係や恋愛関係の悩みも抽象度を上げて眺めれば一瞬で解決します(笑)

 

結局のところ、

「抽象的思考力」によって、抽象度を上げて物事を俯瞰することで、本質を見抜き、

「論理的思考力」を用いて、正しい対処法を実践することで人生がよりよくなる

というわけですね。

 

したがって、

「数学」を学ぶこと=人生をよりよくするための術を学ぶ

となるわけですな。

 

以上が、僕が思う「数学」を勉強する意味です。

 

もうちょい言うと、機械や電気電子みたいな工学のベースも結局は数学ですから、

それらを学ぶ際に「数学」がわかるってのは、すごい助けになりますしね。

数学出身だがメーカー行きたいって人は、今のことを上手いこと面接官に伝えるといいと思います(笑)

 

この記事を読んで「数学も少しは役に立つんやな」って思っていただければ幸いです(笑)

 

本日は以上です!なにかありましたら以下にどうぞ!

akiyamatakeshi@excite.co.jp

 

 

 

関数解析~線形空間~

 

どうも私です。

みなさんいかがお過ごしですか?

僕は最近になってから西村賢太にハマって読書しまくってます。

西村氏は私小説家ってことで実体験をもとに本を書いている方なんですが、

人間性がほんとにくずすぎて僕は大好きです(笑)

 

今日は「線形空間」(ベクトル空間とも言います。)ってやつを考えていきます。

 

関数解析では、色々な元(要素のこと)をもつ「空間」というものを考える必要があります。

空間というのは色々な元の集合のことですね。

で、ざっくり空間といっても様々な空間があるわけで、

どういった空間を考えるかというのが重要です。

全ての実数だけを含む空間なのか、複素数も含む空間なのか、それとも整数のみなのか自然数だけなのか、、、みたいな感じで。

 

ただ関数解析では、「関数空間」といって色々な関数を含む空間を考えます。

連続関数だけを含む空間なのかとか、一回だけ微分できる関数の空間なのかとか、

それとも無限回微分できる関数の空間なのか弱微分できる関数の空間なのかみたいな感じで関数空間は色々と考えることはできるんですよね。

 

そういった話はまた今度で、今日は「線形空間」ってやつを紹介しましょう。

 

まずは線形空間の例をあげましょう。 例えば、平面上の点の全体\mathbb{R}^2や、空間上の点全体\mathbb{R}^3などがあります。 xy座標のすべての点やxyz座標のすべての点ってことですね。 この\mathbb{R}^2\mathbb{R}^3はそれぞれ、

\mathbb{R}^2 =\{x = (x_1,x_2) | x_1,x_2 \in \mathbb{R}\}

\mathbb{R}^3 =\{x = (x_1,x_2,x_3) | x_1,x_2,x_3 \in \mathbb{R}\}

と書けますね。

 この意味ですけど、xy座標の点って(x,y)みたいな感じで二つの値で決定しますよね。

このxとyが上のx_1x_2に当たるんですね、さらにそx_1x_2は実数ですよ(複素数でない)ってことです。\mathbb{R}^3も同じ意味です。

 

で、これをN次元にまで拡張すると、

\mathbb{R}^N =\{x = (x_1,x_2,\cdots,x_n) | x_1,x_2,\cdots,x_n \in \mathbb{R}\}

ってなりますよね。

この\mathbb{R}^Nの元をN次元ベクトルといいます。つまりN次元ベクトルの集合が\mathbb{R}^Nなんですね。

 

ここでx,yを\mathbb{R}^Nの元とし、\alpha \in \mathbb{R}(ただの実数)とすると、

 x+y=(x_1+y_1,\cdots.x_N+y_N)\in\mathbb{R}^N\alpha x = (\alpha x_1,\cdots,\alpha x_N)\in\mathbb{R}^N

が成り立ちます。 

(実数は和について閉じているから。和もまた実数だよってことです。)

 結局、\mathbb{R}^Nにおける和や実数倍もまた\mathbb{R}^Nの元であると。

これらが成り立つとき、\mathbb{R}^N線形空間であると言います。

 簡単でしょ(笑)

線形性が成り立っていればいいよってことです。

ちなみにx^2とかx^3とかは非線形だから線形性がなりたちませんよ。

 

最後に線形空間きっちり定義しておきましょう。

 

定義(線形空間)

集合 X が線形空間であるとは, x, y \in X, \alpha \in \mathbb{R} に対して, 和 x+y \in X, 実数倍 \alpha x \in X が定義されており, 以下の性質を満たすときをいう: 任意の x, y, z \in X, α, β \in \mathbb{R} に対して以下が成り立つ.

(1)     (x+y)+z = x+(y+z)

(2)     x+y = y+x

(3)     x+0=x を満たす満たす元0\in Xがただ一つ存在する。

(4)     x+(−x) = (−x)+x = 0 が成り立つような元 −x \in X が存在する.。

(5)     \alpha (x + y) = \alpha x + \alpha y

(6)     (\alpha + \beta )x = \alpha x + \beta x

(7)     (\alpha\beta)x = \alpha(\beta x) =\alpha \beta x1x = x

 

なんかいろいろありますが定義なんできっちり書いているだけで、

線形空間かどうかを確かめたければ和と実数倍だけ確かめればオッケーです!

 

今日は以上です。

次はノルム空間をやってその後にBanach空間やHilbert空間みたいな関数解析っぽいやつをやっていく予定です!

 

分からないことなどがあればこちらにどうぞ!

akiyamatakeshi@excite.co.jp

  </

 

 

関数解析とは

 

 

 

どうも私です。

 

本日は「関数解析」という分野について記事にしていこうと思います。

一応このブログは勉強系のブログにしようと思って開設したわけですが

全然そっち方面のことを記事にしていなかったわけでして、

さすがに学問の記事も書かなあかんなと。

 

というわけでですね、「関数解析」というものをテーマに記事を書いていこうと思います。

 

僕の専門は微分方程式論なんですけども、微分方程式の解法なんかはあちこちのサイトに載ってますので、手薄であろう関数解析を、自分の勉強も兼ねてテーマにしようと思います。

 

ちなみに初歩から応用までを定理や証明も述べつつ、がっつり長々とシリーズ化して書いていくつもりですのでもし関数解析に興味がある方がいらっしゃったら楽しみにしておいてください(笑)

 

 僕自身学生の身ですので間違ったことも書くかもしれませんがそんときはメールでバンバン指摘してくださいよろしくお願いします(笑)

 

 

本日は第一回ですので、そもそも関数解析ってなんやねんみたいなところを説明していこうと思います。

 

関数解析」とはなにか、

よく言われるのは「無限次元の線形代数」なんですよね。

線形代数」ってのは理系の大学生なら一年で習う内容でして、高校で学んだ「行列」を有限次元で一般化したものです。

線形代数の目的は N 次元ユークリッド空間のような有限次元線形空間の構造を調べたり、そこで定義された線形写像の性質を調べることです。

よって関数解析の目的は、無限次元の線形空間の構造を調べたり、そのような空間で定義された線形作用素の性質を調べることなんですね。

 

現在、関数解析は物理・工学等に現れる諸問題を考察する上で欠かせないものとなっています。

なぜかというと、物理・工学等に現れる偏微分方程式関数解析を用いて考察されることが非常に多いからなんですね。

また, 有限要素法等の数値解析においても関数解析は数学的裏づけを与えてくれますので、工学系の方でも理論をしっかりやろうとしている方は「関数解析」を学ぶ意義があるかと思います。

 

まず始めは「線形代数」の基本的なことを復習して、

その後に関数解析の理論を学び、最後に応用について触れていこうと思います。

 

本日は導入ということで以上です。

なにかあれば以下にどうぞ!

akiyamatakeshi@excite.co.jp

 

 

 

 

 

大学数学~役に立つおすすめの参考書(解析)~

 

 

 

どうも私です。

 

本日は大学数学の学習に役に立つ参考書を紹介しようと思います。(僕が使ったものだけ!)

僕の専門の関係上、解析学がメインになるのは許してください(笑)

 

工学系の人なんかは役に立つと思いますが、幾何学とか統計の人は微妙かもしれません。

 

じゃあパっとやってきましょか。

 

微分積分学

 まず初めに紹介するのは、

 

 

 

 こちらの「微分積分学序論」ですね。

高校数学の終わりからスタートするので初学者にはわかりやすいと思います。

例題や演習問題も豊富ですし、ちゃんと重積分まで網羅しているのでこれが一通りできれば工学系の大学院入試の演習に入ってもいいと思います。

サクッとですが極限の定義など解析学の初歩についても触れています。

 

ただ、n次元重積分などは載ってませんので、そこらへん学びたいぜって人にはこちらもお勧めします。

 「微分積分学 (現代数学ゼミナール)」 これですね。

上のものよりもう少し理論よりで難しいって感じですね。

それと今だったらだいぶ安いです(笑)

 

 ・解析学

次に紹介するのは解析学の本です。

解析学ってのは、微分積分学なんかは計算方法がメインなんですがこちらは完全に理論の話です。ε-δ論法なんか聞いたことあるかもしれませんがまさにそれですね。

まず初めに極限を上の論法で定義して、連続だとか一様有界だとかを学んでいきます。

 

初学者にわかりやすいのがこちら。

 

 

 「解析入門30講 (数学30講シリーズ)」です。

分かりやすいよう図なども豊富ですから色々な定義のイメージがつかみやすいと思います。証明も手取り足取りって感じで丁寧に書かれています(笑)

逆に言うと少し勉強したことあるよって人からすると書き方がくどいかもしれません。

マジの初心者はこれを読んで解析学とは何ぞやって所を学ぶとよいかと思います。

 

がっつりやりたいぜって人はこちら。

 

 

 

定本 解析概論」です。

神のような書物です。何でも書いています。

ルベーグ積分についても書かれています。

内容自体は正直難しいですが、解析の研究したいって人は絶対に持っておいて損はしません。

大学の先生もこれで勉強したよって人が多いと思うので、たいていの授業の補助役にも成りえます。

例も色々と書いてあるので値段は高いですが間違いはないですね。

 

 

常微分方程式

次は常微分方程式の本についての紹介です。

微分方程式の本なんかはめちゃめちゃ多いですから気に入ったやつを買って勉強すればいいと思います(笑)

ただ、工学系の教授が書いた本は演習にはいいですが理論がいささか弱いと思いますね。理論を学びたいって人は数学科の教授が書いた本をお勧めします。

で、僕が紹介するのはこの本。

 

 

 

 「講座 数学の考え方〈7〉常微分方程式論」ですね。

少々高いですが、めっちゃ理論が載ってます。

一般的な形で書かれていますので、具体例が色々学びたいんだって人には少しきついかも。

解の存在などの基礎理論や物理と関わる部分なども書かれています。

 

もうちょい易しいのをお望みの人にはこちら。

 

 

 

 「常微分方程式入門 第2版」です。

安いうえにそんな分厚くないので読みやすいです。

著者も工学系出身なので計算方法よりの内容となっています。

基礎理論についても少し書かれていますがわかりやすいですよ。

 

もっと工学よりのがいいぜって人はこちら。

 

 

 

 

常微分方程式 (技術者のための高等数学)」です。

初っ端から物理を題材にした常微分方程式の説明がされており、

物理系や工学系の人に向いていると思います。

僕は正直あんまり参考にしたことはないですけど(笑)

 

偏微分方程式

 偏微分方程式論の本を紹介しましょうか。

偏微分方程式ってのは、基本的に「楕円型」「放物型」「双曲型」に大別されるんですね。

で、なにがややこしいかって各々解法が全然違うんですよ。

つまり、一つのタイプだけを扱ってる本などは多いんですが、全部を網羅的に載せてる本って案外なかったり、各々の内容が薄いことが多いです。

よって、自分の扱う方程式が何型かを見極めて対応する参考書を選んでください。

ただ、網羅的にかつしっかり学びたいぜって人はこちら。

 

 

 「Partial Differential Equations (Graduate Studies in Mathematics)」これですね。

先生曰く大ヒットした本らしいです(笑)

めっちゃ高いしめっちゃ分厚い、ただ初学者でもしっかり学べます。

丁寧に書かれてますし、Sobolev空間の理論や固有値問題についても言及しておりめちゃめちゃ優秀な本です。

大学の図書館にあると思うんで気になる人は探してみてください。

 

英語はきついわぁって人にはもう一冊網羅的な本を紹介しましょう。

 

 

 「偏微分方程式 (サイエンスライブラリ現代数学への入門)」これです。

めっちゃ易しいのでこれだけはきついかも。

これを導入として他の本も見てください(笑)

 

他にも、東京出版の本やマセマもいいと思います。

ただ偏微分方程式の本は他のジャンルと違って結構著者のくせとか研究内容が出ますので、必ず一度は自分の目で見てみるのが大切だと思います。

そのうえで自分に合ったものを選んでくださいね。

 

ルベーグ積分関数解析

最後にこれらの本を紹介したいと思います。

まず始めはこれ。

 

 

ルベーグ積分入門 (応用解析の基礎)」これです、めっちゃ古いですがすごい良書です。

例や証明、はたまた反例まで色々載ってます。

この著者はたくさん本を出している方で他の本もいいですよ。

後は、吉田洋一って方の本もすごい分かりやすいです。

理論よりですが(笑)

 

関数解析の初学者にはこちらをお勧めします。

 

 ちょこちょこミスがあるのがあれですがわかりやすいです(笑)

そんなに高くないし分厚くないしで手に取りやすいですね。

がっつり学びたいぜって人はこちら。

 

 

 めっちゃしっかり理論について書かれていますゆえに難しいです(笑)

大学のレポートや試験がこっから出されていることも珍しくないのでこれをきっちり理解できれば怖いものはないですね(笑)

関数解析って微分方程式を解くのに利用されるんですが、この本は微分方程式との絡みが少し弱いかもしれません。

そんな時はSobolev空間をメインで扱ってる本を見てみるとよいと思います。

 

 

↑は偏微分方程式を解きたい人向けです。 

 

今日は以上です!

数学を学ぶ上で大切なのは、

自分で計算すること

です!そうして初めて身になりますゆえ、自ら計算や証明をすることを怠らず頑張ってください!

 

何か質問や気になること、数学のことでもなんでもあったら以下の連絡先までどうぞ!

akiyamatakeshi@excite.co.jp