数学系大学院生の徒然草

関西在住の国立大学院生が学問や人生、日常を徒然なるままに書き記す雑記です。できるだけ有用な記事を嗜むつもりです。

数学を勉強する意味

 

「どうして数学なんて勉強しないといけないのか」

 

学校で働いている方や塾でバイトしている学生ならよく聞かれることなんじゃないでしょうか。

 

今日はこのようなよくある疑問に対して、数学を研究する一人として僕の見解を書いていこうと思います。

ようするにオナニー記事ですね(笑)

 

なぜ数学を学ぶ必要があるのか。

 

まず初めに数学を学ぶことで身につく力を考えてみましょう。

 

よく言われるのは「論理的思考力」ですよね。

数学というのは、一つ一つの言葉(概念)に明確な定義が存在します。

それらを一つ一つを矛盾のないよう組み立てていくこと(証明のこと)で定理が得られるんですね。

つまり、これを実践していくには論理的思考力が必要不可欠であり、

身につく力であると。

 

じゃあ他の学問ではこのような力は身につかないのか、

というとそんなことはありません。

工学や経済学なんかでも論理的思考力というのはもちろん身につきますが、

やはり程度が違う。

数学という学問はこの部分がずば抜けているように感じます。

数学には実験というものがなく理論しか存在しません。ゆえに、

理論しかないということは自身の思考力のみで問題を解いていかなくてはいけませんから、他の実験やフィールドワークのある学問よりもそのような力が身につく機会も多いですし、求められる程度も大きくなるというわけですね。

 

で、もう一つ身につく力として「抽象的思考力」が考えられるかと。

数学、特に純粋数学というのはとても抽象的な学問であり、掴みどころがないように感じやすい学問です。

実験などがなく完全に自分の頭の中で想像しながら問題を解いていかなくてはなりませんし、

具体的なモノ(電子回路だとか機械だとか)を相手にしているわけではないため、

このような力も身につきます。

 

数学を学ぶと以上のような力が身につきますと。

 

では、これらを学ぶとどう役に立つのか。

大切なのはここですよね。

 

\sin\cosが何の役に立つねんってのは高校生がよく言うことですよね(笑)

 \sin\cosみたいな三角関数に関していうと数学の中では世の中に役に立ってるほうでして、

コンピューターグラフィックなんかは三角関数線形代数微積分がベースとなってできていますし、

機械とか電子機器ではフーリエ変換ってやつを設計で絶対使ってるんですけど、それはまさに複雑な関数を三角関数で近似しているってところで役に立っています。

厳しいことを言うと、これらが理解できない人はこれらを使わない仕事に就くだけです。

 

以上は数学が実世界でもろに使われている例ですけど、

数学を通して身につく「論理的思考力」や「抽象的思考力」は、数学自体を使わなくても生きる上で役に立っているものだと僕は思っています。

 

なぜかというと、仕事などで問題が発生した場合は、

まず「現在どうのような状況なのか」を把握し、「結果どうすればいけないのか」を考えて、「今できることは何で、できないことは何か」を考えて、「欲しい結果を得るためにどうすることができるのか、どうしなくてはいけないのか」を考えますよね。

 

これって数学の証明と同じで、証明の場合は、

まず「仮定」を確認し、「導きたい結果」を把握し、「今使える条件、定理」を考えて、「仮定から結果を得るための道順」を考えますよね。

つまり、数学の証明の流れは現実問題での解決手順と似ているわけですよね。

よって、数学を通じて「論理的思考力」を身に付けることで、現実で生きる上でも役に立つわけです。「数学の知識」ではなく「数学の考え方」が役に立つと。

 

次に「抽象的思考力」はどう役に立つのかを考えてみましょう。

抽象的に物事を見ることが出来る=物事を俯瞰して見ることが出来る

ということだと僕は考えています。

物事を見たまんま理解するのではなく、抽象度をあげて俯瞰すること(より高い視点から物事を眺めること)により、

全然別の現象が実は本質的には同じ現象であることがわかるようになります。

 

実際、いい大学に受かる人や賢い人ってのはこれが出来る人なんですね。

特に勉強でいうと、物理や化学のような別の学問であっても、本質を見抜いて紐解いていけば結局は数学がベースになっていることがわかります。

なぜならこのような理系学問の理論なんてのはすべて数学を土台としてその上に成り立っているからですよね。

それ以外でも友人関係や恋愛関係の悩みも抽象度を上げて眺めれば一瞬で解決します(笑)

 

結局のところ、

「抽象的思考力」によって、抽象度を上げて物事を俯瞰することで、本質を見抜き、

「論理的思考力」を用いて、正しい対処法を実践することで人生がよりよくなる

というわけですね。

 

したがって、

「数学」を学ぶこと=人生をよりよくするための術を学ぶ

となるわけですな。

 

以上が、僕が思う「数学」を勉強する意味です。

 

もうちょい言うと、機械や電気電子みたいな工学のベースも結局は数学ですから、

それらを学ぶ際に「数学」がわかるってのは、すごい助けになりますしね。

数学出身だがメーカー行きたいって人は、今のことを上手いこと面接官に伝えるといいと思います(笑)

 

この記事を読んで「数学も少しは役に立つんやな」って思っていただければ幸いです(笑)

 

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